モニターアームの選び方とおすすめ4選|VESA・耐荷重・ガス圧式の違いから候補を比較
モニターを買ったときの付属スタンドのまま使っていると、画面の高さはほぼ固定で、スタンドの脚がデスクの上を大きく占有します。モニターアームに替えると、この2つがまとめて解決します。
先に正直に書いておくと、私自身はモニターアームをまだ使っていません。ただ、職場では周りの席で使っている人が増えていて、「デスクが広くなった」「画面の高さを目線に合わせたら肩が楽になった」という声や、モニターの下のスペースに書類やノートPCを置いている様子を日常的に見かけます。
この記事は体験レビューではなく、メーカー公式の仕様を確認しながら「失敗しない選び方」と「候補製品の比較」をまとめたものです。情シスとして社内のモニター環境を見る立場から、確認すべきポイントを整理します。
モニターアームにすると何が変わるか
- デスクが広くなる: スタンドの脚がなくなり、モニターが浮く形になるので、下のスペースがそのまま作業エリアとして使えます
- 画面を目線の高さに合わせられる: 画面が低くて猫背になる、というのが付属スタンドの典型的な弱点です。アームなら高さ・奥行き・角度を自分の姿勢に合わせられます
- 2台の位置をそろえやすい: デュアルモニターの場合、2台の高さと角度をきれいに合わせられるかどうかで、見やすさがだいぶ変わります
- ケーブルがまとめやすい: ケーブルホルダーや配線ガイド付きの製品が多く、デスク裏がすっきりします
逆に、導入前に確認が必要な点もあります。モニター側に取り付け用の穴(VESA)があること、デスクの天板にクランプを取り付けられること。この2つを外すと買っても付けられないので、選び方の最初のポイントになります。
選ぶときの確認ポイント
1. VESA規格(75×75/100×100)に対応しているか
VESAは、モニター背面にある4つのネジ穴の間隔の規格です。モニターアーム側もモニター側も、この規格が合っていないと取り付けできません。
- 主流は 75×75mm と 100×100mm の2種類。多くのアームは両対応です
- モニターの背面にネジ穴自体がない機種(VESA非対応)も存在します。特に薄型・低価格帯のモニターは要注意です
- 確認方法は、モニターの仕様表で「VESAマウント」の項目を見るのが確実です
2. 耐荷重は「モニター本体だけの重さ」で見る
アームの耐荷重には上限だけでなく下限もあります。重すぎれば画面が下がってきますし、軽すぎるとガス圧式・スプリング式ではアームが浮いてしまいます。
見るべき重さは、スタンドを外したモニター本体のみの重量です。仕様表では「本体のみ(スタンドなし)」のような表記になっています。フルHDの24インチクラスなら、本体のみで3〜4kg台の機種が多い印象です。
また、湾曲(カーブド)モニターは同じ重さでもアームへの負荷が大きいため、メーカー各社は「湾曲モニターの場合の耐荷重は低めに見積もる」よう案内しています。余裕のあるモデルを選んでください。
3. 対応モニターサイズ
「○インチまで対応」という表記は目安で、実際は耐荷重と画面の横幅のほうが重要です。特に2台並べる場合は、2台分の横幅がデスクに収まるか、アーム同士が干渉しないかも見ておく必要があります。
4. 取り付け方式(クランプ/グロメット)と天板の厚さ
デスクへの固定方法は主に2つです。
- クランプ式: 天板の縁を金具で挟む方式。穴あけ不要で取り外しもできるので、基本的にはこちらが第一候補です。対応する天板の厚さ(例:10〜50mm)を確認してください。薄い天板や補強のない天板では、たわみの原因になることもあります
- グロメット式: 天板の穴(ケーブル通し穴など)を使ってボルトで固定する方式。クランプより強固ですが、使える穴があることが前提です。製品によっては別売りのマウントキットが必要な場合もあります
賃貸や会社のデスクで天板に不安がある場合は、補強プレートを併用する手もあります。
5. ガス圧式/メカニカルスプリング式/ポール式の違い
モニターを支えて動かす仕組みは、大きく3種類です。
- ガス圧(ガススプリング)式: 軽い力でスムーズに上下でき、その場で高さを変えやすいのが強み。姿勢や作業内容に合わせて頻繁に動かす人向きです。長年の使用でガスの反発が弱ってくる可能性はあります
- メカニカルスプリング式: バネの力で支える方式。ガス抜けの心配がなく、長期の耐久性を売りにする製品が多いタイプです。エルゴトロンの「コンスタント・フォース」もこの系統です
- ポール(支柱)式: 支柱の途中にアームやブラケットを固定する方式。高さは固定位置で決まるため頻繁な調整には向きませんが、構造が単純で安定しやすく、製品価格も抑えめです。デュアル(2台用)製品では「支柱+ガス圧アーム」の組み合わせもよく見られます
6. シングル(1台)か、デュアル(2台)か
2台使う場合の選択肢は、「シングルアームを2本」と「デュアル専用モデル」の2通りです。
- シングル×2本: 2台を離して置いたり角度を変えたりと、配置の自由度が高い。合計価格も抑えやすい
- デュアル専用: 支柱1本に2台を取り付けるので、設置が1回で済み、見た目もすっきりする。代わりに価格は高めで、2台の間隔の融通は利きにくい
候補4製品を比較する
メーカー公式の仕様で確認できた4製品を並べます。価格は2026年10月31日時点の確認で、販売店や時期で変動します。
| 製品 | タイプ | 対応サイズ | 耐荷重 | VESA | 取り付け | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| サンワサプライ CR-LAC1405BK | シングル/ガススプリング式 | 13〜32インチ | 2〜8kg | 75×75、100×100 | クランプ(天板10〜50mm)、グロメット(10〜80mm) | 6,600円(メーカー公式表示) |
| グリーンハウス GH-AMDT1-BK | シングル/メカニカルスプリング式 | 17〜32インチ | 2〜9kg | 100×100、75×75 | クランプ(天板10〜80mm)、グロメット(10〜50mm) | 3,998円(公式ストア表示・直販Web限定) |
| エルゴトロン LX デスクマウントアーム | シングル/メカニカルスプリング式(コンスタント・フォース) | 34インチまで | 3.2〜11.3kg | 100×100、75×75 | クランプ、グロメット(品番によりマウントキット別売) | オープン価格(実売は価格.com最安で18,200円) |
| サンワサプライ CR-LAC2407BK | デュアル/ガススプリング式(支柱タイプ) | 17〜32インチ×2台 | 1台あたり1〜9kg(総18kg) | 75×75、100×100 | クランプ(天板10〜50mm)、グロメット(10〜45mm) | 41,800円(メーカー公式表示) |
サンワサプライ CR-LAC1405BK:まず試すならこの価格帯
ガススプリング式のシングルアームで、メーカー公式価格が6,600円(税込)と手を出しやすい製品です。13〜32インチ、耐荷重2〜8kgと、一般的なオフィス用モニターならほぼ収まる範囲。クランプ・グロメットの両方式に対応し、ケーブルクリップも付属します。「アームがどんなものか、まず1台で試したい」という場合の候補です。
グリーンハウス GH-AMDT1-BK:最安クラス+3年保証
公式ストアで3,998円(税込)という最安クラスのシングルアームです。仕組みはメカニカルスプリング式で、17〜32インチ、耐荷重2〜9kg。保証が3年間あるのはこの価格帯では珍しく、コストを最優先するなら有力です。天板のクランプ対応厚が10〜80mmと広いのも地味にありがたい点です(直販Web限定モデルです)。
※2026年11月1日時点で、公式ストアでは在庫切れになっています。この価格帯で3年保証付きという条件の良さから人気が出ているようです。購入を検討する場合は、再入荷のタイミングを公式ストアで確認してください。
エルゴトロン LX デスクマウントアーム:長く使う前提の定番
モニターアームの定番として名前が挙がることの多いシリーズです。バネ式のコンスタント・フォース技術で、34インチまで、3.2〜11.3kgに対応し、昇降範囲は33cm。保証期間は10年間と突出して長く、「頻繁に動かす」「長く使う」前提なら価格差の説明がつきます。価格はオープン価格で、2026年10月31日時点で価格.comの最安は18,200円でした。販売店による価格差が大きい製品なので、購入時は複数店の比較をおすすめします。
サンワサプライ CR-LAC2407BK:2台を支柱1本ですっきり
デュアル専用モデルです。支柱にガススプリング式アームを2本取り付ける構造で、17〜32インチ×2台、1台あたり1〜9kgに対応。支柱タイプなので通常のガス圧式より高い位置にも設置でき、2画面を上下左右に配置する自由度があります。クランプ金具の奥行きが38mmと薄い「ショートクランプ」なので、バックパネルのあるデスクにも取り付けやすい設計です。メーカー公式価格は41,800円(税込)と、シングル×2本よりは高めです。
私の環境(モニター2台・フルHD)に当てはめると
私の作業環境は、外部モニター2台(どちらもフルHDクラス)+ドッキングステーションという構成です。この条件で考えると、次のようになります。
- フルHDの24インチ前後であれば、モニター本体の重さはおおむね3〜4kg台。今回の4製品はどれも耐荷重の範囲内に入ります。つまり耐荷重で候補が絞られることは少なく、価格と「シングル×2かデュアルか」で選ぶ話になります
- コスパ重視ならシングル×2本: CR-LAC1405BKを2本でも合計13,200円。2台を離して置くこともでき、片方だけ縦置きにするといった配置も自由です
- 設置のすっきりさ重視ならデュアル専用: CR-LAC2407BKなら支柱1本で済み、デスク背面の占有も最小限。ただし価格は約3倍になります
- 姿勢に合わせて画面をこまめに動かしたいなら、ガス圧式かエルゴトロンのような可動域の広いモデル。高さを決めたら固定でよいなら、選び方はずいぶん楽になります
私自身が次にデスク環境を見直すなら、まずはシングルのガス圧式を1台分だけ入れて、効果を見てから2台目を判断する、という進め方になりそうです。
まとめ
- モニターアーム選びで最初に見るのは、モニター側のVESA対応(75×75/100×100)と、本体のみの重さがアームの耐荷重に収まるかの2点
- デスク側は、クランプが使える天板の厚さかどうかを確認する
- 仕組みは、頻繁に動かすならガス圧式/メカニカルスプリング式、位置を決めて固定するならポール(支柱)タイプも選択肢
- 2台使う場合は「シングル×2本(価格と自由度)」か「デュアル専用(設置のすっきりさ)」かを先に決めると、候補が絞れる
- 価格帯の目安は、シングルで4,000円前後〜2万円台、デュアル専用で4万円前後。保証期間の長さも価格差の理由のひとつ
モニターアームは、モニター本体より買い替え頻度が低い周辺機器です。手持ちモニターのVESAと重さ、デスクの天板厚だけ先に測っておくと、候補選びで迷いにくくなります。このサイトの記事は記事一覧にまとめています。
モニターアームではなく置台で高さを調整する方法については、モニター置台(モニタースタンド)の選び方|1台時代に使って分かった、向く人・向かない人もあわせてご覧ください。
